2011年2月27日日曜日

歯科ドックでIgA腎症の病巣「虫歯」と「歯周病」を発見

「虫歯」と「歯周病」も病巣感染の一つ


写真:「慢性免疫病の根本治療に挑む」の表紙

さて、"IgA腎症患者なら必ず読むべき一冊" 堀田先生の著書「慢性免疫病の根本治療に挑む」ら学んだことシリーズ第四弾。今回は、虫歯と歯周病のお話。
  長年、慢性免疫病の治療を行ってきた経験から、このような患者には扁摘後も、何らかの病巣感染が残っている可能性が大きいと考えている。
(略)
  第二は虫歯と歯周病である。
  虫歯が抜けて永久歯に生えかわったら血尿が消えた、という子供の話は以前から知られており、虫歯の治療も重要である。仙台社会保険病院小児科の菊田芳克氏によると、扁摘・ステロイドパルス併用療法を行ってもなかなか寛解にならないIgA腎症患者に、根尖性歯周囲炎を見つけ、治療した上で再度ステロイド治療を併用したところ、寛解した症例がある。この患者さんの場合、根尖性歯周囲炎が扁桃とは別の病巣感染巣となっていたのである。
引用元: 書籍「慢性免疫病の根本治療に挑む」堀田 修・著)

歯医者とは縁のなかった30年間

歯医者に行ったのは、記憶では中学生のころに一度だけ。それも虫歯ではなく、知覚過敏のようなものだったし、その後約30年間は一度も行ったことがない。考えてみれば、歯科検診も15年以上受けていなかった。歯が痛くなるようなことは一切なかったので、虫歯もないのだろうと思いつつ、そろそろ検診を一度受けておいたほうがいいよなとは前から思っていた。

人間ドックならぬ「歯科ドック」を受けてみる

そこで、近所にある歯科で「歯科ドック」をやっているというのを知り、先日受けてきた。そのメニューは次の通り。
  1. インタビュー:生活習慣や全身疾患に関するインタビュー
  2. 口腔内診査:虫歯の有無、咬み合わせのチェック、口腔内粘膜疾患(癌、その他)を診査
  3. 歯周病検査:歯周病の有無、進行度を診査
  4. X線検査:全顎X線検査、パノラマX線検査
  5. 唾液検査:唾液検査(唾液量、唾液の質、唾液緩衝能)と細菌検査(虫歯のきっかけを作る菌、虫歯を進行させる菌)
  6. 結果面接:歯科医師・歯科衛生士による結果の説明と生活習慣指導、および実行しやすい効果的なリスクコントロール法の紹介
検査は9時から開始で、前夜21時以降から歯磨き粉とうがい薬の使用禁止、当日1時間前から歯磨き禁止と絶飲食(水はOK)。9時に開始した検査はインタビューからスタート。その後、唾液検査で味のないガムを噛みながら唾液の採取、そして虫歯のチェック、レントゲンなど、約2時間かけてチェックしてもらった。

果たして、その結果はいかに

検査を終えてから45分くらいの休憩をはさんで、最後に歯科医師と歯科衛生士による結果の説明を受ける。
主な結果は以下の通り:

  • 虫歯:奥歯に7本(いずれも浅い部分で初期)
  • 歯周病:歯肉(歯ぐき)に炎症あり
  • プラーク(歯垢):非常に多く付いている。
写真:パノラマX線検査のレントゲン写真
14回に分けて3~5本ずつレントゲン撮影するパノラマX線検査は珍しいとか
写真:全顎X線検査のレントゲン写真
こちらは歯全体のレントゲン写真

というわけで、まだ初期の軽い状態とはいえ、奥歯に虫歯が7本あることがわかった。そして、堀田先生の著書に出てくる根尖性歯周囲炎はなかったようだが、歯周病で歯ぐきに炎症があることも分かった。断定はできないが、この炎症がIgA腎症の病巣になっている可能性もあるのかもしれない。

またしても誤っていた生活習慣

検査前に「IgA腎症の病巣と考えられる炎症があるかどうか知りたい」とお願いしていたこともあり、歯科医師がIgA腎症との関連もふまえて説明してくれたが、それを抜きにしても歯科医としては「この機会に口腔の治療とケアをきちんと行ったほうがよい」という話だった。

もちろん、IgA腎症と関連がなければ治療する必要なしというわけではないので、ともかくこの歯科で治療していくことにした。結果として、IgA腎症の治療にもプラスになればいうことはない。

さらに、歯磨きのしかたについても指導を受けた。歯医者に通ったことがなかったので、今まできちんと磨き方を教えてもらったことがなかった。歯科医師の言葉を借りれば、「今までは部屋を掃除していたつもりでも、部屋の隅々にゴミやほこりが溜まっていたようなもの」らしい。たしかに、教えてもらった磨き方は、今まで自分がやっていたのとは違った。歯周ポケットを意識することを恥ずかしながら初めて知った次第・・・。


虫歯がなくて歯医者に通わない人ほど実は要注意

今後の治療計画としては、
  1. まず、PMTCで虫歯や歯周病の原因であるプラーク(歯垢)を徹底的に取り除く
  2. その上で、虫歯を治療する
という二段構えでいこうという話になった。さっそく、来月から予約を入れて、歯医者さん通いを始めることに。

歯科衛生士の方が最後に話してくれたのだが、最初に歯医者には30年くらい行ったことがなかったという話を聞いて、実は内心ゾッとしたらしい。というのも、そういう人にかぎって、歯周病がかなり進行していて、もう歯を抜くしかない状態になっているケースが多いからだそうだ。歯周病は、自覚症状がほとんどないまま進行し、手遅れになってしまっていることが多いという。何だか、IgA腎症とよく似ているなと思った。


"知る機会"を与えてくれたIgA腎症にむしろ感謝?

言葉ではうまく説明できないが、IgA腎症になってむしろよかったかもしれないと最近思う。もちろん、いつか透析になるかもしれないという不安を16年間も心の片隅で抱えてきたというのはある。しかし、ウエちゃんの場合は食事制限もなく、定期的に通院して薬をもらいながら経過観察してきたことを除けば、自覚症状もないので比較的のほほんと暮らしてきた。

だけど、昨年11月に「扁摘パルス」という治療法があることを知り、IgA腎症という病気と正面から向かい合うようになった。Webで検索したり、書籍を読んで勉強したり、堀田先生と出会ったりするなかで、自分のカラダを知る機会を持つことができた。

その結果、鼻咽腔に炎症があって、歯周病で歯ぐきに炎症があることがわかったり、口呼吸していたことがわかったり、歯磨きのしかたが間違っていたこともわかった。つまり、自分のカラダにそういった病巣感染があって、誤った生活習慣を続けてきていたことを知ることができた。そういう機会をもらえたという意味では、不幸中の幸いというか何というか。

ともかく、大きな目標はIgA腎症を寛解させて、将来透析になってしまうかもしれないという漠然とした不安とおさらばすること。だが、それと同時に、鼻や歯ぐきの炎症を治し、誤った生活習慣を正していくことを心がけていきたいと思う。腎臓がんにより右腎臓を摘出して復帰したプロレスラーの小橋建太も言ってたように、「男は40(歳)からが勝負だから」。人生まだまだこれから長いしね。

それでは、アディオス、アミーゴス!

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