2011年7月20日水曜日

パルス退院1週間後: ステロイドの副作用である「高血糖」対策には "プチ糖質制限食" !?

4週間の入院を終えてから、早くも1週間が経過

先週の月曜日に退院してから、ちょうど1週間が経った。仕事には即復帰...、というか入院中も普通に仕事していたわけですけどね。それにしても、東京の夏はやっぱり蒸し暑い。必要以上の節電もあって、外出していると余計に蒸し暑く感じる。ま、入院していた病室の快適さと比べれば、どこへ行っても蒸し暑い。

さて、社会復帰してから1週間が経過したが、簡単に振り返ってみよう。

退院から1週間後までの主な経過

  • 内服薬: 今のところ、隔日での内服となったプレドニン錠をはじめ、薬の飲み忘れはナシ。カレンダーや薬の整理ボックスなんかを使った飲み忘れ対策はまだしていないけど、何かやったほうがいいかもと思ったり、思わなかったり、ラジバンダリ。
    • [プレドニン錠内服日のみ:朝食前]ジャヌビア錠 25mg 1錠:血糖を下げる
    • [隔日:朝食後] プレドニン錠 30mg(5mg×6錠): 副腎皮質ホルモンで、炎症やアレルギー症状を抑える。

    • [毎日朝食後] オメプラール錠 10mg 1錠): 胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎を和らげる。
    • [毎日朝食後] ニューロタン錠 25mg 1錠): 常用薬。血管を拡げて、血圧を下げる。
    • [毎日朝食・夕食後] ミノマイシン錠 50mg 2錠: 抗菌作用のある抗生物質。ニキビを抑える。
  • 外用薬: "鼻にタバスコ!" なんて表現する人もいる塩化亜鉛の点鼻。しかし、ウエちゃんの場合は全然大丈夫。上咽頭(いわゆる "のどちんこ" の裏あたり)のあたりが少ししみるような感じはあるものの、あまり気にならない。退院日に堀田先生に塩化亜鉛を塗布していただいた際にも出血がほとんどなかったし、おそらく上咽頭の炎症がほとんど鎮まっているからなのだろう。
    • [1日3回(朝・昼・晩)] 塩化亜鉛 0.5%溶液: 上咽頭に届くように点鼻。

    • [適宜] アクアチムローション 1%: 新キノロン系外用抗菌剤、ニキビ(ステロイドアクネ)を抑える。
  • ステロイドの副作用
    • 不眠:プレドニン錠の内服が隔日になってから10日くらいになるが、入院中に顕著だった「不眠」は日を追うごとに解消されてきた。退院後は入眠剤を飲まずに就寝できている。入院中は4~5時間程度だった睡眠時間も、徐々に普段通りになってきた。
    • 汗疹(あせも):肩から胸と背中にかけての「汗疹(あせも)」は相変わらず。いわゆる "ニキビ" というか、"ステロイドアクネ" というやつ。それでも痒みとかはなく、普段は気にならない。赤みも引いてきているし、もうしばらくは様子見かな。ミノマイシン錠の内服とローション塗布を続けよう。
    • 高血糖:血糖値はチェックはしていないのでよく分からないが、昼食後にはできるだけ運動するように心掛けてはいる。あとは、これはあくまでも自主規制だが、「糖質」を控えた食事を意識するようにした。
    • その他:それ以外は、これといって副作用らしきものはない。動悸や息切れもないし、ほてりやむくみもナシ。
  • 口呼吸から鼻呼吸への矯正:次の三つを毎日実践しています。
    • かっい~う~べ~体操:入浴時などに30回以上。
    • 口閉じテープ:就寝時には口を閉じるようにテープを貼っている(優肌絆を使用)。
    • その他:食事はゆっくり時間をかけて、しっかり噛んで食べるように心掛けている。
といった感じで、特に新しい副作用などもなく、順調に社会復帰を進めているところ。さて、今日はウエちゃんの「高血糖」対策をご紹介といきますか。

念には念を入れて、糖尿病予防も兼ねた「高血糖」対策を検討


写真:dancyu特別編集 満腹ダイエット おいしい「糖質オフ」料理で楽しくやせる本

ステロイドの副作用として、食後の血糖値が上がる「高血糖」というのがある。ウエちゃんも入院中は、"200" を超えてしまうことが何度かあった。退院後は、プレドニン錠を内服する日の朝食前に血糖を下げる薬(ジャヌビア錠)を内服している。が、入院中のように血糖値を測っているわけではないので、血糖値がどのくらいなのかは分からない。

入院中は毎日14時に測っていた血糖値を見るかぎり、退院後はプレドニン錠の内服が隔日になることもあり、血糖値が上がる副作用はおさまるから心配しなくてよいというのが主治医の見解。IgA腎症の場合、病態によってはタンパク質や塩分の摂取量が制限されるが、ウエちゃんは腎機能が80%以上ということもあってか、そういった食事制限についても特にナシ。ただ、カロリーと塩分を少し控え目にと言われた程度。堀田先生も「好きなモノ食べて、好きなモノ飲めばいいよ。」と言っていたくらい。

しかし、家族会議の結果、念には念を入れてというか、ウエちゃんも決して若くはないので、今は大丈夫でも将来のことも考えて、血糖を意識するようにして糖尿病にならないように予防していこうということに。つまり、自主規制みたいな感じ。そこで目を付けたのが「糖質制限食」というもの。

「プチ糖質制限食」で高血糖対策とダイエット効果の一石二鳥!?

 消化吸収された食物のうち、糖質は100%、タンパク質は50%、脂質は10%弱が、この血糖に変わることもわかっている。米や小麦という糖質の多い食材を主食とした現代の習慣が、糖尿病のリスクを高め、肥満へと向かわせたのである。
この仕組みを逆手に、肉や魚、野菜などを主体に、おいしく食べて、痩せよう。

(引用元:dancyu特別編集 満腹ダイエット おいしい「糖質オフ」料理で楽しくやせる本
つまり、食後の血糖値を上げているのは「糖質」。だから、「糖質」をできるかぎり摂らない食事を心がければ、自ずと食後血糖値の上昇を抑えることができるというわけ。おまけに、ダイエットにもなるという。昨年11月に禁煙してからというもの、お腹のポッコリが気になっていたウエちゃんには一石二鳥かもしれない(笑)

糖質が多い食品の代表格は、ご飯や麺類などの主食

では、その「糖質」が多く含まれる食材には、どんなものがあるのか?
  • 主食:ご飯、餅、パン類、うどん、素麺、冷麦、蕎麦、ビーフン、コーンフレーク、パスタ、マカロニ、春雨
  • 肉類・魚介類:味付け缶詰、練り製品、佃煮
  • 野菜類:かぼちゃ、そら豆、とうもろこし、れんこん、ごぼう、にんじんなど
  • 芋類:じゃがいも、さつまいも、里芋
  • 調味料:トマトケチャップ、ウスターソース、味噌、カレールウ
  • 嗜好飲料:日本酒、ビール、紹興酒、カクテル、梅酒
  • 菓子類:全般
つまり、主食といわれる炭水化物の多いモノ、それから甘い味付けになっているモノに「糖質」は多く含まれている。日本酒やビールは、最近「糖質ゼロ」の商品があるので、そういうものであればOKのようだ。こうしてみると、ご飯や麺類などのいわゆる主食と一部の野菜を避けるだけでも「糖質」を控えることができるそうだ。

糖質オフだから、焼き肉だって大丈夫! 揚げ物もOK!


意外だったのが、肉や魚には糖質がごくわずかだとうこと。何となくイメージ的に焼き肉なんかは絶対ダメ!という感じがするが、実はダイエットする上でも肉や魚はむしろ摂ったほうがよいらしい。

ただし、気を付けなければいけないのは、焼き肉のタレ。お店で使われているタレや市販されているタレの多くは、糖質過多なのだそうだ。タレではなく塩にするとか、レモン汁を使うとかする必要がある。それでも、焼き肉がOKというのはうれしいかぎり。

肉、魚介類、卵、油は、糖質が少ないからOK!


逆に、食べても安心な糖質が少ないモノには、どんなものがあるのか。
  • 主食:なし
  • 肉類:牛肉、豚肉、鶏肉、生ハム、ベーコン、ウインナー、ソーセージ
  • 魚介類:魚類、貝類、エビ、カニ、タコ、イカ
  • 乳製品:チーズ、バター、生クリーム
  • 豆類:大豆(ゆで)、豆乳、豆腐、油揚げ、厚揚げ、納豆、おから、湯葉、がんもどきなど
  • 野菜類:ほとんどOK(ただし、かぼちゃ、にんじん、ごぼうなどはNG)
  • 芋類:こんにゃく、しらたき
  • きのこ類:えのき茸、しいたけ、しめじ、エリンギ、まいたけ、マッシュルーム、松茸、きくらげ
  • 海藻類:海苔、ひじき、わかめ、昆布、寒天、ところてん
  • 調味料:醤油、味噌、塩、酢、マヨネーズ、トマトピューレ、香辛料、ラカントS、パルスイート
  • 油脂類:オリーブオイル、ごま油、バター
  • 嗜好飲料:焼酎、ウイスキー、ブランデー、ジン、ウォッカ、ラム、糖質ゼロの日本酒やビール、コーヒー、紅茶、麦茶、緑茶
というわけで、糖質控えめといっても、意外と食べられるモノが多い。やはり、肉と魚がOKというのがうれしい。ただ、例えばバターはOKでも、マーガリンはNGだったりして、「糖質」の多い少ないは何となくのイメージと違う場合が多い。

「糖質ゼロ」は、「無糖」、「糖類ゼロ」とは違う

まず、「糖質」というのは、糖類+糖アルコール+多糖類+合成甘味料。そして、「糖類」は、単糖類+二糖類。「糖類ゼロ」だと「無糖」という表示ができるらしい。「無糖」というと、缶コーヒーやヨーグルトなんかでよく見かける。しかし、糖類がゼロなだけであって、糖アルコールや合成甘味料が含まれていれば、血糖値を上げるものが含まれている可能性があるんだとか。

ちなみに、炭水化物は、「糖質」+食物繊維らしい。スーパーやコンビニで買い物するときには、成分表示で炭水化物の量をチェックするとよさそうだ。

要注意!「糖質制限食」は腎臓病患者に適さないこともある

この「糖質制限食」は、このdancyuのムック本を監修した財団法人高雄病院の江部康二医師が提唱しているもので、もともとは糖尿病治療の一環として考え出されたものらしい。次の3つのレベルがあるという。
  • スーパー糖質制限食:朝食、昼食、夕食の三食とも主食を抜く。
  • スタンダード糖質制限食:朝食と夕食は主食を抜き、昼食のみ主食をとるパターン。
  • プチ糖質制限食:夕食だけ主食を抜く。
糖尿病患者には「スーパー糖質制限食」または「スタンダード糖質制限食」が推奨されるようだが、ウエちゃんはステロイドの副作用である高血糖をコントロールするのが目的。そこで糖質を控えめにすることを少し意識する程度ということで、この3段階でいうと「プチ糖質制限食」というレベルを取り入れてみている。例えば、夜は主食(ご飯や麺類)を摂らずに、お酒は糖質ゼロのビールか、焼酎か、ハイボールにするという具合。間違ってもシメにお茶漬けやラーメンを食べてはいけない!

しかし、この「糖質制限食」で注意しなければならないのは、経口血糖降下剤内服やインスリン注射をしている人は低血糖発作を起こす可能性があるということ。ウエちゃんも血糖降下剤のジャヌビア錠を隔日で内服しているので、朝ご飯をしっかり食べなかったりすると何だか低血糖っぽくなる。そこで、控えすぎは逆に良くないので「プチ糖質制限食」レベルにすることにした。加えて、「糖質制限食」は相対的に高タンパク・高脂肪食になるため、腎不全などのように腎機能の低下している人には糖質制限食は適していないということだ。

腎臓病はその種類や病態によって様々なので、自分に適しているかどうかは主治医にも相談して判断する必要がある。ちょっと検索してみると、いろいろな情報が得られるのでご参考まで。

体調はすこぶる良好 退院後も副作用がほとんど出ていなくて安心

というわけで、入院前と退院後で変わったのは、食事(特に夕食)で糖質を控え目にするように意識し始めたことくらいかな。ステロイドの副作用も、自覚できるのは今では汗疹(あせも)があるくらい。それもほとんど気にならないので、普段は忘れている程度のものだ。IgA腎症にはもともと自覚症状がない。東京の夏は蒸し暑いが、今のところ夏バテもなく、体調は良好。

気になることといえば、やはり血糖値くらいか。それも糖質を少し控えめにするよう意識した食事と適度な運動でたぶんコントロールできているはず。そして、肝心の尿潜血と尿蛋白は次回の検診までお楽しみに!ということで(笑)

それでは、アディオス、アミーゴス!

4 件のコメント:

  1. ウエちゃんさん

    はじめまして
    コメントさせていただきます

    退院おめでとうございます

    詳しく綴られていらっしゃるので
    参考に、そして「光」をいただいております

    私は
    2011年2月 腎生検
    2011年3月 IgA腎症診断
    2011年5月 扁桃摘出
    2011年7月 ステロイドパルス入院中 です

    今は、2クール目内服です
    こんな時間にコメントしている……つまりは
    眠れない副作用が出ておりますが
    睡眠系の薬も飲まず、楽観的にやっております。

    ウエちゃんさんと、同じ仙台式の治療をしておりますが
    一番異なる事が、食事制限です。

    私は、2月の腎生検時から
    塩分(5g)、たんぱく質(60g)で、やっております。
    主治医からも、5年は続けるように言われております。

    ステロイドパルス中の現在は
    高血糖の副作用が考慮されて
    糖腎食が出ております。

    たんぱく質の制限があると、どうしても
    エネルギー不足になってしまい
    油や砂糖を多く使った料理を食べていても
    半年で5kg減ってしまいました。(167cm 54kg)

    ただ……プレドニンの服用が続く期間は
    血糖値が上がる事を考えると……
    「食べる物無いやん!」と、想ってしまいます。

    たぶん、退院が近づいてきたら
    栄養指導があると想うので、色々尋ねてみます。

    なんだか、コメントというより
    私の報告みたいになりました。。。スミマセン

    ただ、同じ病気で同じように
    これ以上腎機能を落としたくない と
    ガンバっている方がいらっしゃる事に
    心が強くなっている事は、事実です。

    ウエちゃんさん、ユルめに頑張っていきましょう。

    今後ともよろしくお願いします。

    返信削除
  2. つきのひかりさん

    はじめまして! コメントありがとうございました。

    > 詳しく綴られていらっしゃるので
    > 参考に、そして「光」をいただいております

    ありがとうございます!!

    同じようにIgA腎症の治療に取り組んでいる皆さんとの情報共有や情報交換のきっかけになればと思って始めたブログなので、そう言っていただけるとホントに嬉しいです。

    > ウエちゃんさんと、同じ仙台式の治療をしておりますが
    > 一番異なる事が、食事制限です。
    >
    > 私は、2月の腎生検時から
    > 塩分(5g)、たんぱく質(60g)で、やっております。
    > 主治医からも、5年は続けるように言われております。

    ウエちゃんの場合は、羅病期間は17年目と長いものの、腎機能が80%程度あり、尿蛋白もそんなに出ているわけではないということで、かなり落ち着いた病態なので食事制限がありません。

    腎機能の低下度合いや病態によって、食事制限が課されるようですね。たしかに、タンパク質を制限されると、摂取カロリーを上げるのが難しいですよね...。

    ボクも最初に腎生検をやった後に、たしか同じくらいのレベルの食事制限を言い渡されたことがあるのでよく分かるつもりです。ボクの場合は、当時一人暮らししていたときの食生活があまりにもひどすぎたので、主治医がお灸をすえるつもりで厳しく言ったのだと後から分かったのですが...。

    今回ご紹介した "プチ糖質制限食" は、つきのひかりさんには向かない対処策かもしれません。栄養指導をぜひ受けられて、高血糖対策と摂取カロリーの確保を両立できる方法を確認されるといいと思います。

    > ウエちゃんさん、ユルめに頑張っていきましょう。

    「人生は、リラックス。」
    「クヨクヨしないこと。」

    これはボクがパルス入院の際に、堀田先生からいただいたアドバイスの言葉ですが、そのアドバイスにも通じますね。

    お互いにユルめに頑張っていきましょう!

    こちらこそ、これからもヨロシクお願いします :-)

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  3. 順調に「社会復帰」なされているようで何よりです!

    しかし「糖質制限」もなかなか大変ですね~。
    私の場合は血糖値等は問題なし(今のところ)なので、「甘いものの摂り過ぎは控えるように」位の指導で済んでいます。
    ただ、たんぱく質40g、塩分5g制限を課せられているので、そっちで忙しいですけど...。(特にたんぱく質はなかなか手強いです。塩分は分かりやすいけど。)

    とは言え、食事制限って「止むを得ない外食機会」なんかがそれ程無ければすぐに慣れますよ~。

    ストレスにならない程度に頑張っていきましょう!

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  4. たつこめさんもお元気そうですね!

    4週間の入院は初体験だったものの、気がつけばいつもの日常に戻っていた...。そんな感じで、意外とすんなり社会復帰できていました。

    あ、「糖質制限」はあくまでも自主規制というか、主治医から言われたわけではないので、「(特に夜は)糖質の摂り過ぎは控える」程度の "プチ糖質制限食" に自主的に取り組んでいる感じです。

    今は血糖降下剤(ジャヌビア錠)を隔日で内服しているので、糖質を制限しすぎると低血糖になってしまうし、ホントに少し意識して控える程度です。ま、フルーツ、果汁入りジュースやスイーツ系は、さすがに控えてますけどね。

    入院中のように血糖値を測っていないので、念のためというか、用心してという感じでしょうか。

    たつこめさんの食事制限、タンパク質40gはなかなか手強いですね。外食時には特に厳しそうですが、回数が多くなければ、逆に外食時は割り切ってしまうというのもアリかもしれません。何事もストイックすぎると長続きしなかったりしますからね。

    ゴール目指してお互い一歩ずつ進んでいきましょう!

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