2011年6月24日金曜日

[ドキュメント 6.24 後編] 東日本大震災で被災して閉鎖していた第2病棟が復活: 仙台社会保険病院

実は着々と進められていた第2病棟の復旧工事


復旧工事の日程は、4月25日~9月末日の約5か月間

入院初日に入院中の注意事項などを説明してくれていた担当看護師さんから「使えなくなっていた第二病棟の復旧工事がひと段落するので、今週金曜日(つまり、入院4日目)にそちらに移動する予定なんです。」との話が。部屋はまた六人部屋になるが、ベッドの数に余裕があるので、誰もが窓側か廊下側のベッドになるとか。ダメもとで、「できれば窓側を」と希望してみる。

そして、前日には移動先が二人部屋になるとの知らせが入る。どうも六人部屋の工事が完了できていないらしく、しばらくの間は二人部屋でということらしい。ということは、これまた仮住まいということか。ま、いいでしょ。約3週間の入院生活、場所も変われば気分転換にもなるしね。

6月24日(金曜日)、腎科本来の第2病棟へ三か月半ぶりに帰還!


写真:院内の廊下にかけられていた千羽鶴
千羽鶴には「一日でも早く復興できますように。」という手書きのメッセージ

さあ、いよいよ腎科が本来の病棟である第2病棟へ戻る日がやってきた。13時過ぎから部屋の外が騒がしくなる。いよいよ民族大移動の開始。各自荷物は全てベッドの上に置いて、看護師が二人一組でベッドを一つずつ第2病棟まで転がしながら運んでいくという段取りのようだ。ここからは写真を使って密着ドキュメント的な感じで(笑)

密着ドキュメント「6.24 復活した第二病棟への移動の記録」


写真:病室に看護師が入り始める。
廊下側のベッドから順に移動開始。

写真:続々と病室に入ってくる看護師さんたち。
みんな自分の荷物はベッドの上にまとめて置いてある。

写真:窓側にあるのは、
最後にポツンと一台だけ取り残されたウエちゃんのベッドと荷物。

写真:ベッドを押して病室から出ていこうとする看護師さん
さあ、この部屋の最後に移動開始。

写真:ベッドの前と後ろに看護師さんが一人ずつ。
院内の渡り廊下を通過。

写真:第一病棟にある
外来診療の待合室を通り抜けていきます。

写真:二つ目の渡り廊下を進む。
もう一つの渡り廊下は緩やかな上りの勾配が...。

写真:エレベーターホール。
第二病棟のエレベーター前に到着。腎科フロアの4階へ向かう。

写真:第2病棟4階の腎科フロア案内図
第2病棟4階の腎科フロアに無事到着。

写真:第2病棟4階のエレベーター付近
エレベーターホールの隣にナースステーション

写真:ナースステーションの窓口
ドラえもんやコアラ[謎]などのキャラクターたちも帰宅

写真:ウエちゃんのベッド
これが二人部屋の窓側にあるウエちゃんのベッド

窓の向こうにはネット越しに昨年12月に入院した第3病棟が見える

写真:病室の窓を開けると、建物全体が工事用のネットで囲われていてグレー一色。
でも、窓を開けても見渡すかぎりにグレーって感じで、ちょっと寂しいかもぉ...。

でも、テレビと冷蔵庫、セーフティボックスが使えるようになった。

トイレの蓄尿マシンだって液晶表示の新型(?)

コインランドリーだって使えるようになった

写真:談話室は10帖くらいで左右の壁に長椅子。
ほどよいスペースの談話室にはテレビもある

写真:談話室の中から見た出入口付近。
談話室出入口の両脇には体重計と血圧測定器

写真:廊下の壁にある院内の病棟案内図
というわけで、腎科が第2病棟に戻ってきましたよ!

直線に長い第2病棟の4階腎科フロア、今日からお世話になります!

ほぼ時を同じくして朗報 扁摘パルスの普及がさらに加速するか

先週6月15日~17日にパシフィコ横浜で開催された第54回日本腎臓学会。その2日目に、総会長主導企画シンポジウムとして「IgA腎症の治療:扁桃摘出+ステロイドパルス療法」(座長:今井裕一先生、川村哲也先生)があった。

そこで「IgA腎症に対する扁桃摘出術とステロイドパルス療法の有効性に関する多施設共同研究」の中間報告があり、その結果が注目に値する内容だったのだ。扁摘パルスは、これまでは「やれば効果がわかる治療法」という位置づけだった。それが今後は「エビデンスに基づく医療の一環」として、IgA腎症の標準的治療法として推奨されるようになるというのだ。

その様子を紹介している堀田医師のコラムから、そのポイントを引用してみる。
具体的には全国から同意が得られたIgA腎症の患者さん80名をランダム(無作為)に扁摘パルス群(40名)とパルス単独群(40名)に分けてその後の経過の違いを比較したというものです。結果は、一年という短い観察期間にもかかわらず扁摘パルス治療群がパルス単独治療群に比べて統計学的有意差をもって寛解率が高かったという画期的なものでした。

引用元:「扁摘パルスRCTで有意差あり」第54回日本腎臓学会速報|IgA腎症根治治療ネットワーク

かくいうウエちゃんもIgA腎症であると分かったのが16年前。その間の主治医は「扁摘パルス」の「へ」の字も言わなかった。つまり、否定派だったのだろう。否定派はこれまで「エビデンスがない」という主張を繰り返してきたようだが、もうそんな言い訳は通用しなくなる。一人でも多くのIgA腎症患者が「扁摘パルス」で治療できるようになっていってほしいと切に思う。

そしてこの朗報と、「扁摘パルス」のメッカである仙台社会保険病院の第2病棟の復活。何だかうれしいことが続くものだ。


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